たどたどしい英語で宿を確保する

 今日は8月10日だが、アメリカ合州国の現地時間で夕方の5時5分、ロサンゼルスに到着した。12時間くらい、飛行機に乗っただろうか。
 生まれて初めての外国。
 ロサンゼルス空港(LAX)前で、行きかう外車をただただ見つめるだけ。
 「おのぼりさん」とは、こういう気持ちを言うのだろう。
 今夜の宿は予約していない。
 今夜の宿はあるのだろうかと突然不安になってくる。
 空港前に宿のホットラインが並んでいる。電話をかけて、英語で宿の交渉するのも怖いけれど仕方がない。電話をかけてみると、大変情けないが、相手の言っていることがよくわからず、”Pardon?”の繰り返し。相手の質問、”How many beds?”のベッドが、ペソに聞こえる。向こうがめげずに応対してくれることに感心する。

 悪戦苦闘の結果、チボリ(Tivoli Hotel)という宿で、なんとか本日の部屋を確保できた。電話のホットラインが並ぶ前で車のピックアップを待っていると、宿から送迎車が到着。ドライバーはアジア系のオーナーだった。
空港近くのホテルに着きチェックインを済ませ、部屋に入るとホテルの前は大通り。車がものすごいスピードで走っていて、歩いている人はほとんどいない。なんだか凄いところに来てしまったと思う他なかった。あとからわかったことだが、そこはいわゆるダウンタウン(繁華街)ではなかった。
 着いた日はホテル近くのメキシカンレストランで相棒と食事をするが、楽しめない。明日の朝食用に、小さなスーパーマーケット(grocery store)でジュースとパンとハムを買った。冷蔵庫もない部屋なので、空調のそばに食品を置いて寝る他なかった。
 これから8ヶ月ほど、この国で暮らすことになる。
 私のアメリカ合州国滞在はこんな不安な気持ちで始まった。
 第一日目はチボリホテル泊、25ドル。
Tivoli Motor Hotel
4861 W. Century Blvd. Inglewood, CA 90304