今夜の宿のアンカレッジをめざす

 散歩を終えて再度シーカヤックに乗って、今晩の宿のアンカレッジを目指す。天気がいい日のカヤックは実に楽しい。ゆったりと時間が過ぎていくわりには、あっという間のような気もする。
 アンカレッジの海岸が見えてきた。ツアーもそろそろ最終段階だ。海岸にカヤックを乗りつけるときは、海岸線に対して真っ直ぐの位置から少し強めに漕ぐ。スピードを上げて砂浜に乗り上げる感じで着岸する。さて、私は今日一日で終わりだが、残りの三人は明日もあるので、最終確認をしてガイドのパニアと別れる。パニアはいったん帰るというので、カヤックを片づけたのち、シーバスに乗り込む彼女を見送った。
 本日の宿はこのアンカレッジの海岸に停泊させている船である。時間になれば、ゴムボートで海岸まで迎えに来てくれるという。同行した三人も一緒に同じ船に泊まる予定だが、ゴムボートで迎えに来るまでは自由行動なので、「また、あとで」と言って別れた。
 私はシーカヤックでここまで来たんだという充実感と充足感だけをただただ感じながら、砂浜に仰向けになって寝転んで、海を見続けていた。