今夜の船の宿にボートで向かう

 時はゆっくりと流れ、日も暮れてきた。どれくらい時間が経っただろうか。停泊している船からゆっくりと迎えのボートが出て、こちらに向かってくる。あたりにはこのボートの音しか聞こえない。岸に近づいてきたこのボートに乗り込んで、今日の宿へと向かう。
 船内に入るとすでに客人が何組かいる。「船内では、家族のようにお互いに接して欲しい」と、船での過ごし方をキッチン担当の女性が説明する。共同のシャワー。暖かい飲み物もつくれるキッチン。食事ができるリビング。二階にも食事が取れる場所があって、暖房もあるようだ。ビールなどは、自分でノートに記入して自由に取って最後に清算する方式。偶然だが、シーカヤックで共にしたリンたちと寝る場所が一緒のセクションだった。シャワーを先に浴びて、ビールを飲んでくつろぐ。
 船内にはニュージーランドの地元の家族組と、スウェーデンから来たというカップル。他に4組ほどのカップルがいて、シングルは私だけである。
 夕食は、身体つきがガッチリした船頭さんによるバーベキューで、とてもおいしい食事であった。この船頭さんに「今日は少し疲れたので早目に寝る」と断って、私は床についた。
エイブルタズマンはいいところだ。ベッドにもぐると、私はすぐに眠りについた。