ニュージーランドでは右折優先であることを忘れずに

 ニュージーランドは日本と同じ左側通行である。日本車のハンドルの位置はその点好都合なのだろう。中古車市場としてニュージーランドが日本のお得意様であることも納得できる。
 それで、車の運転だが、先に書いたように、市内は50キロで、町を出ると100キロの法定速度が普通だ。これは、問題ない。
 自動車の運転で何より気をつけないといけないのは、自分だけでなく多くの車と一緒に走っているときに、どの車が優先かということだ。この優先順位を知らないと、運転していても不安になる。
 この中で特に日本人が気をつけないといけないルールは、ニュージーランドでは「右折優先」ということだ。
 具体例を出してみよう。
 自分が進んでいる車線と対抗車線と、二車線道路で、あなたが走っているとする。ニュージーランドの道路は幅が広く、端に路肩がある場合が少なくないし、その路肩に路上駐車できることも多い。その上さらに、真ん中にニュートラルなスペースがあることも多く、対向車であなたの前を横切って右折したい車は、そのニュートラルなスペースで待つことになる。進行方向に向かって、あなたの前方に左折できる道路があるとする。その道路に入ろうとする右折したい車が前方に待機している状態で、あなたは直進したいとする。この場合は、もちろんあなたが優先である。ところが、もし同じ道路をあなたも左折したいとしたら、この場合は、どちらの車が優先になるだろうか。
 これが日本なら、もちろん左折したいあなたが優先だ。あなたは前方に右折したい車があろうとも関係なく、左折できる。けれども、ニュージーランドでは、これは違反である。あなたが直進したい場合は別であるけれど、あなたが左折したい場合は、前方で右折するために止まっている車をまず優先させてから、あなたは左折しないといけない。
 最初この規則をトムから聞いたとき、私は自分の耳を疑った。トムが冗談を言っているのかと思ったのだ。
 前方に右折したい車が止まっていて、自分が左折しようとする機会は、結構ある。だから、日本人はこの規則をしっかりと頭に入れて、より一層気をつけないといけない。同じ道を前方にいる車が右折したい、自分は左折したいという場合は、互いに譲る精神でないとニュージーランドでは事故が起こる。