ウエリントンのインフォメーションセンターに行く

マオリ語委員会のある建物

 「そもそもは日本から来たのですが、今は一時的にハミルトンに住んでいるんですけど」と私が英語で話しかけると、私もそうですと、ウエリントンのアイサイト*1(I-Site)の職員が答えてくれた。
 ウエリントンは、英語とマオリ語で標示を表示するという雰囲気がワイカトよりは少ない印象があって、「ワイカトと違って、イギリス語・マオリ語による併記が、ウエリントンでは弱い感じがするのですけど」と私が言うと、「ウエリントンはイギリス色が強いですから」と、彼は答えた。
 また「マオリ土地戦争の跡地なんかはありますか。ワイカトにはたくさんあるんですけど」と質問をすると、「ウエリントンにはマオリ土地戦争の遺跡はほとんどありません。第二次世界大戦などの史跡はありますが、マオリとの関係でいえば、ウエリントンは平和だった」と、彼は私に説明してくれた。「スタッフ内にマオリの人がいるから呼びましょうか」と親切に言われたが、「それには及びません」と、私は断った。
 たしかにウエリントンには、マオリ土地戦争関連の史跡は少ないのだろう。
 けれども、ロンリープラネットには、ポートニコルソン*2の土地をマオリとしては売った覚えがなく、ニュージーランド会社が急いで非合法的に買ったために、その後30年にも渡って影響を及ぼし、今日なおその影響は続いていると書いてあるから、この日本人スタッフがあまり知らないだけなのだろうと、私は勝手に解釈をした。

*1:アイサイトとは、インフォメーションセンターのこと。年配者のキーウィの中には、I-Site(インフォメーションセンター)がeye sight(視力)と聞えてしまう人がいる。いわばアイサイトは新語の部類に入るコトバである。

*2:ポートニコルソンは、マオリ語では、Ponekeという。