ネイピアの博物館で私が受けた印象

 ネイピアの博物館に対する私の印象は、マオリの展示と白人の展示との関係の折り合いがついていない印象を受けた。ネイピアの博物館には、せっかく素晴らしいものがありながら、各展示がバラバラな印象なのだ。
 ネイピアの博物館には、マオリの彫像物の展示と、ニュージーランド戦争の展示と、アールデコと、大地震、そしてマオリの伝統的織物の各展示が、いわば無関係で、これらをつなぐ哲学や、歴史観が不在という印象がある。
 時間をかけてしっかりと観たわけではないから私の勘違いかもしれないのだけれど、あながちこれは間違った印象でもないと自分では思っている。
 博物館を出たところの博物館のみやげ物屋には、書籍もかなり置いてあった。
 あのクローディア=オレンジの書いた「図解ワイタンギ条約」という本も飾ってあった。オレンジの例の古典に図解を入れただけの版かと思っていた私は、出版年度を見ると、2004年とあるし、前書きを見ると、古典の発展版とみた方がよさそうなので、買うことにした。
 ニュージーランド戦争に関してカラー化されたシリーズ本も置いてある。イメージでいうと、図解世界史といった風で、年代ごとにパケハとマオリの勢力範囲が描かれていたりする。高校生の副読本といった位置づけのようだ。作者はどういう立場かよくわからないが、こうした構想の本はめずらしい。ニュージーランド史ごとに三冊に分かれていたので、これも三冊まとめて買った。
 アジア系の人間が本を四冊も買うことがめずらしいのか、レジの女性と少し話し込んでしまった。