キーウィの学校の職員室の様子

 さて、飛び入りだが、久しぶりに授業らしいことをやって、少しお腹が空いた。
 キーウィの学校の職員室に来て、いつもいいなと思うことは、休憩時間に食べ物や飲み物がたくさんあることだ。
 コーヒー、紅茶はもちろんだが、パイ、自分で作るサンドイッチなどがある。食べ方は「自分で勝手にやって」(Help yourself.)の思想だ。
 私が言いたいことは、食べ物を共有しているということで、日本のように、私の食べ物は私だけの食べ物という雰囲気はまるでない。
 日本でも、おかしなど、同僚に対して、どうぞ好きに食べてということはある。しかし、全てを共有するという雰囲気はないのが普通だろう。
 キーウィの職員室は、いつも食べ物が共有であるし、私のような訪問者に対しても分け隔てが全くない。
 子どもたちが職員室に入ってきて、電子レンジなどを使っている。子どもたちが台所に入ってきて大丈夫なのですかと言うと、「家族ですから」と言う。
 学校長の話だと、教員は、叔父さん、叔母さん、家族として、対応しているという。いわば家族的雰囲気だ。これは素晴らしい。
 かなり前にオーストラリアのメルボルンの名門グラマースクールを訪れた際に、そのグラマースクールでは、教員が集まるコモンルームには見えない線があり、そこを超えては生徒はその部屋に入れないということが明確にされていた。
 いわば大人の時間で、そのコモンルームでは、ビールやワインなど、お酒を飲んで、美術品などについて話をするような雰囲気があった。
 だから、日本の教員室のように、「子どもたちが教員室で教員の肩に生徒がぶら下がっているという光景は信じられない光景だ」と、オーストラリア人の同僚が私に語ったことがある。これは西洋的な子育て、とくに他人との距離の取り方が明確に「隔絶」なのに対して、アジア的な価値観は、一体感だろう。添い寝や、負んぶや抱っこでいえば、西洋的価値観と、日本やネイティブアメリカンとでは明確に違う。マオリも私たちに近いのだろう。
 それからすると、マオリの学校は、少人数規模ということもあるのだろうが、日本よりも、さらにもっと家族的であるということが理解できるし、地域と密接だろうと思う。