ピーター・バラカン氏の「ロックの英詞を読む」を買って読んでみた

「ロックの英詞を読む」(2003)

 2003年に出た本だが、ブロードキャスターであるピーター・バラカン(Peter Barakan)氏の「ロックの英詞を読む ―Rock Between The Lines」を買ってみた。俺の版は2005年4月の第3刷のもの。
 この本の中で取り上げられているアーティストは、Bob Dylan, Bruce Springsteen, Neil Young, John Lennon, Stevie Wonder, Joni Mitchellなど私も愛聴したものが多く、Van Morrisonもそのうちの一人である。
 それで、Van Morrisonなど、ピーター・バラカン氏の好みも当然入っているけれど、この本の中で取り上げられている唄は、「僕の好みで選曲すると英語を学ぼうとする雑誌の読者へのアピール度が低いだろうと判断して、珍しく選曲権を編集部側に譲ることにしました」とある。
 取り上げられているアーティストも唄もなじみのあるものばかりだったが、たとえば、「中学生の僕にとってディランは、いわゆる現代史の先生でした。The Freewheelin’ Bob Dylanに入っている曲でも、最初はよくわけがわからない歌詞がいろいろとありました。もちろん同じ母国語の英語で歌われているはずなのですが、完全には理解できないのです。でも繰り返し聴いて、これはどういう意味なんだろうと、想像したり考えたりして調べていくうちに、当時のアメリカの状況がだんだんとわかってきたものです」というようなピーター・バラカン氏の個人的経験や、Van Morrisonの "Caravan"という唄について、「基本的にこの曲は、音楽が完全に生活の一部になっているジプシーへの憧れを描くことで、物事すべてを改善し、癒すことのできる音楽の力をたたえた、音楽賛歌なんだと思います」というような、ちょっとした解説が興味深かった。
 他に面白かった記述は…。

 エルヴィス・コステロはデビューしてもう25年くらいたちますが、初期の頃は「全く新しい感覚を持ったシンガー・ソングライターが現れた」という印象を持ったことを覚えています。僕は、デビュー・アルバムから最新アルバムまで、すべて欠かさず聴いていますが、いまだに大好きなミュージシャンです。