以下、朝日新聞デジタル版(10/6(金) 21:18配信)から。
日本政府は、核兵器禁止条約採択に貢献した核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)のノーベル平和賞受賞の報を複雑な思いで受け止めている。核廃絶へ向けた意義を認める一方、核・ミサイルの脅威を高める北朝鮮に触れ「遠く離れた国と、現実の脅威と向き合っている我々とでは立場が違う」ととまどいを見せる外務省幹部も。首相官邸と同省は受賞決定を受けてのコメントを出さなかった。
核禁条約をめぐって、日本政府は「核兵器廃絶という目的は同じだが、アプローチが異なる」と不参加の立場をとってきた。同条約には核保有国が参加しておらず、非核保有国との間で溝を生じさせる原因になっているとの理由からだ。
安倍晋三首相は8月9日、原爆が投下された長崎市内で被爆者団体と面会後、記者団に核禁条約に参加しないことを問われ、「核兵器国と非核兵器国の隔たりを深め、核兵器のない世界の実現をかえって遠ざける結果となってはならない」と強調した。