フランス人とclassical musicを聞きにいく

 ニコラとクラッシック(classical music)を聞いてきた。
 夜の8時30分からサンフランシスコシンフォニーで$5.0。今回は奢ってもらった。昨日寿司を奢ったからかもしれない。それにしても$5.0というのは、聴衆が多いからなのか、安いと思う。曲目はストラビンスキーの「バベル」。モーツァルトの「マソニック埋葬曲」、K479のモーツァルトのマソニックカンタータ、K623、ストラビンスキー「エディプスレックス」。パンフレットの中に訳が書いてある。コーラスが多く、ドイツ語、ラテン語なので、英語訳がしてある。当たり前の話だが、前に座っている方たちも英語訳をよく見ていたので、アメリカ人といえども、ラテン語やドイツ語がわかるわけではない。ニコラに言わせると、歌っている人たちだって、よくは理解してはいないのではないかと言っていた。
 俺は、とにかく宗教歌であろうが、歌詞がわからねばと思い、ラテン語と英語の歌詞を追いかけながら聴いていた。ニコラは初めから諦めていたが、こういう歌はスピードが遅く、それに繰り返しが多く、特にラテン語は母音がよく出てくるので、どうしても長く歌うためには母音が多い方が当然適している日本語のような音も多く、そのためか、聞き取り易く、ああこの単語は英語と同じだなど、つまらぬことを考えながら聞いていると、飽きず、「この歌は嘘だから騙されてはいけない」など、繰り返しの多い箇所に妙に感動することもある。人間の声を聞いているだけでも楽しいものだ。
 みんなが多分わからないものを聞いているのだと思うと、妙に気分が静まり、クラッシックというものは、本当にクリーンでピュアで、気が安らぐものだ。
 いまNeil Youngを聞いているのだが、ドイツ語やラテン語に比べれば、「わかる」という気にさせられて妙に感動する。本当にわからないものを聞いていると、物の見方も変わってくるのかもしれない。ラテン語ばかり聞いていたら、英語が身近に感じるから不思議だ。