ブリズベン川の川辺(Riverside)を歩いてみる。ブリズベンの川辺はなかなかよいが、都市化されていることは否めない。高層マンションのような巨大ノッポビルが林立している。なんだか東京の江戸川あたりのような雰囲気もある。
ブリズベンの人口は約160万、オークランドが約110万、クライストチャーチやハミルトンが10万単位だから、ブリズベンの馬鹿でかさがわかる。ブリズベン川を走るシティキャット(City Cat)という移動用の船も早いし、バスもガンガン走っている。便利さという点でこの街は群を抜いているだろう。ただ、ブリズベンはどんどん膨張していった街なので、街の作り方が計画的でない感じがする。たとえば市長舎に展望台があって、2ドル払って上がっていくのだが、その展望台よりも醜いビル群の方が高くてこれが眺望台にならないのである。なんだか行き当たりばったりの街の作り方ではないか。中途半端なところがブリズベンらしい感じもする。とてもいい歴史的建物がブリズベンにはあるのに、巨大なビル群に埋まってしまって目立たない。展望台でも展望できない。だから、ブリズベンはまだこれからも発展していく町なのに違いない。
私の同僚の一人はメルボルン出身で、メルボルンのかなり郊外に住んでいるが、彼がメルボルンが好きなわけが少しわかった気がする。けっして悪くはないのだが、ブリズベンには文化的な香りが少し足りない感じもするのだ。メルボルンは確かに教育と文化の町ではあるけれど、寒いメルボルンやシドニーを離れて、北に避寒に来る人が少なくないと言われている。Going Tropoと行って、オーストラリアでは北に移動する方が避寒となるから、ブリズベンのような北にある街は冬寒いときに人気があるのだ。南半球のブリズベンは、緯度からすると、北半球の沖縄くらいになるのだろうか。亜熱帯である。夏はさすがに暑いだろうが、冬場でも楽に過ごせる。こうしたことがオーストラリア人にとって、ブリズベンを選ぶ場合の大きな魅力の一つになっている。
市内にあり、商用地から数分のボタニックガーデン(Botanic Garden)を歩けば、市内の喧騒がまるで嘘のようだ。得体の知れない亜熱帯の鳥がたくさんいて、この植物園もなかなかよいが、ニュージーランドのハミルトンを歩いてきた私としては、なんともこの植物園は狭い。それでも都会の喧騒から数分で逃れられるのは幸いだ。
また、クイーン通りに戻る。カフェというカフェがみな外にテーブルと椅子を出して、みなさん屋外で飲んだり食べたりしている。昼間からビールである。もちろん、泥酔している人はいない。各自、自分のペースで楽しんでいる。私もそこで食べることにしよう。オマール海老、プローンと呼ばれる小海老が数本、ホタテやマッスルが、甘辛いトマト風味付けで、美味である。ビールも入れて45ドル。結構高いが、モールのこれらのカフェは、24時間営業のレストランなのである。日本円で、3600円くらいか。