ナルワヒアのレガッタでイギリス人の弁護士に会った

 この会場で川に浮かぶ伝統的なワカの写真を撮影していたら、私と同じようにワカの写真撮影をしている若者がいた。
 話しかけてみると、イギリスから来た弁護士だった。
 1年間の休暇を取り、6ヶ月中国を旅して、あちこち回って、ニュージーランドに来たという。
 世界でイギリス語が通じるから、イギリス人は外国語学習に怠惰だという話を彼がしたので、私もイギリス語が世界で通じるおかげで、イギリス人やアメリカ人には見えないものがある。一見西洋化し産業化を果たした東京だって、下町の路地裏を訪れ地元の人たちと語り合うことができれば日本の伝統がまだ息づいていることに気がつくだろうし、日本の田舎に行けば、味噌をつくったり、自分の食べ物を自分でつくっている人たちに巡り会えるだろう。英語だけで日本の旅を済まそうとすると、皮相な理解にとどまり、その分それは損だろうと、私はいつもの持論を語った。
 彼は中国語を学んでいて、たまたま学んでいた簡略字の東という字を私に書いて示した。中国の地元の人たちと語り合うと、いろいろなことを学ぶことができると言ったので、私も挨拶程度のマオリ語が話せるので、それだけで全く違う体験になるというような話をして私たちは同意した。