大谷翔平投手の活躍は、他国や他者にたいする尊敬を忘れず、卑屈になることなく、みずからを鍛錬し、相互に高め合うことは可能なのだとあらためて教えてくれた

 WBCは日本の優勝で幕を閉じた*1

 野球に全く興味のなかった俺だが、大谷翔平の一ファンとして、あらためて大谷翔平という野球選手としての運動能力はもちろん、謙虚さ・公平さもふくめた人間性・人格の高潔さ*2、さらに彼の言語能力は素晴らしいと感じた。

 アメリカ合州国から野球を学んだ日本。

 いうまでもなく、いびつなことに、歴史的に見るならば、近現代において、日本は、野球のみならず、政治的・経済的・文化的に、英米との二国間関係が重要であった。そして、それはそろそろ、そしてとっくに新しい関係を築かなければならない時代になっているのではないか*3。そうした時代を象徴しているのが大谷翔平なのではないか、それはけっして大袈裟な話ではない、WBCを観戦していてそんな印象をもった。

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 今回の優勝決定戦直前に彼の的確なスピーチ能力を生かして大谷翔平選手がチームを鼓舞するスピーチ自体が象徴的に思えた。

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 そしてさらに勝利したときの大谷翔平投手のスピーチの視点と視野がずば抜けていると感じる。

 とりわけ台湾・中国・韓国など、アジアに触れているところが素晴らしいスピーチだった。

 あれこれのテレビ報道を見ていたが、不思議と、この台湾・中国・韓国など、アジアに触れた発言がほとんど報道されていないように感じたのは何故だろうか。

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 こうした視点と視野の広い発言だから、次のような韓国ネットの反応も不思議ではない。にもかかわらず、こうした発言にたいして日本のマスコミが消極的な報道姿勢である印象が残るのは何故だろうか。

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 さて次の大谷翔平投手のWBCインタビューが素晴らしい。

 他の選手にたいする尊敬の念・公平さはもちろん、ユーモアのために発言しているわけではないのに、ユーモアが自然とかもし出されてしまう謙虚さ。大谷投手に多くのファンがいるのは当然として、これで愛されないわけもない。

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 たかが野球。されど野球。けれど、大谷翔平投手のレベルは頭抜けている。こうした活躍こそ「異次元」というべきなのだろう。

 試合をおこなえば勝者も敗者も生まれるのは当然のこと。しかし、大谷翔平選手の公平さ・スポーツマンシップはすばらしい。今回の日本のWBC優勝を国家としてのナショナリズムに利用するようないやらしい宣伝とは無縁で、むしろアジアをはじめ他国や他者にたいする公平さは学ぶべきものだ。にもかかわらず、大谷翔平投手の野球愛、台湾・中国・韓国というアジア圏についての発言に対して積極的に報道しようとしない、そうとしか思えないマスコミの報道姿勢に落胆せざるをえない。その一方、アメリカ合州国の野球解説者たちの公平さも高く評価しなければならない。

 たとえば、次はその一例*5

 

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 今回の大谷翔平投手の活躍(MVP受賞)と日本のWBC優勝は、他国や他者にたいする尊敬を忘れず、卑屈になることなく、みずからを鍛錬し、相互に高め合うことは可能なのだと教えてくれた大会だった。

 大谷翔平選手から深く学び、他国や他者にたいする尊敬を忘れず、卑屈になることなく、みずからを鍛錬し、相互に高め合わなければならない。

*1:今回WBCのもつ問題性については捨象した。WBCのもつ問題性について指摘しているものは少ないが、たとえば、以下は少ないそのひとつ。【WBC優勝の闇】分配金の5割は米国が持っていき、残りを電通が搾取。侍ジャパン、3大会ぶりの世界一達成!最強軍団・アメリカを破り悲願の王座奪還。元博報堂作家本間龍さんと一月万冊 - YouTube

*2:たとえば、以下を参照のこと。

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*3:たとえば、次のような拙文をアップしたことがある。そろそろ英米中心の時代はやめにしませんか - amamuの日記 (hatenablog.com)

*4:WBCにたいする注目度も今回のWBC戦でぐんと上がったといえる。もちろんそれは大谷翔平投手の貢献が少なくない。

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*5:その公平さは、非主流グループ出身の野球解説者による評価であるということも手伝っているとは思うけれど。