Spotify, Apple Music, Amazon Music Unlimited など、もはや音楽を聴くのはサブスクライブの時代といわれる中で、これまでレコードやCDを集めてきた者としては淋しい気持ちで、少しずつ処分を始めているのだが、久しぶりに2枚CDを購入した。
"The Long Road Home"(2005)と"Centerfield"(1985)。
いずれもJohn Fogertyのものだ。
John Fogertyは、1960年代後半から1970年初頭にかけて人気のあったロックバンドCreedence Clearwater Revival*1のシンガーソングライターでリードギターでリードヴォーカリスト。実兄のTom FogertyもCreedence Clearwater Revivalに参加していた。CCRの名で知られるロックバンドが最も制作意欲のあった成功期とされる1969年から1971年の期間にトップ10のヒット曲が14曲もある*2。
2つのギターにベースとドラムスという4人編成は、ロックバンドの最低限の編成であり、まさに基本形だった。またその音楽性は、南部のにおいがして、サザンロックやスワンプロックの原型となったが、彼らはカリフォルニア州のサンフランシスコ周辺のベイエリア出身だった。前にも紹介したように、"Fortunate Son"は、草の根の人びと、庶民、労働者階級の人びとの気持ちを歌ったものだった。
CCRの活躍を10代の頃リアルタイムで聞いたけれど、解散後のことは知るはずもなく全く知らなかった。
今回はじめて、John Fogertyと実兄Tom Fogertyとの確執やレコード会社Fantasyとの確執をYouTubeで知った。
自らがつくった'The Old Man Down the Road' (1985)が、同じく自らがつくった 'Run Through the Jungle'(1979)の盗作だと訴えられたという。これは昔の曲をレコード会社に譲渡したことから訴えられたバカげた訴訟だった。
以下は、 the Guardian の2000年の記事。
すぐれたアーティストを食い物にするマネージャーや同じくレコード会社の話はよくある話だが、CCRも同様だった。権利をめぐるバンド内のメンバー争いもよくある話ではあるけれど、CCRの場合、兄弟を巻き込んだところが悲劇的だ。
ようやく長い法廷闘争を経て、自分の楽曲を取り戻し、ジョン・フォガティは今も公演をしている。
そんな経緯を知って購入したのだが、"The Long Road Home"(2005)はいい。
今回初めて知ったのは、Centerfieldが野球の唄ということだ。バットギターで演奏するJohn Fogerty も初めて見た*3。
Put me in coach, I'm ready to play today
Look at me, I can be centerfield(拙訳)
つかってよ、監督 準備万端だよ、今日も
見てよ俺を センター、できるよ
アルバム「センターフィールド」には、故ソウル・ザーンツ(Saul Zaentz)に訴えられた2曲'The Old Man Down the Road''Mr.Greed'も収録。
*1:CCRの前身バンドについては、次が詳しい。無理やり付けられたバンド名とその経歴:クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァルの前身バンド「ゴリウォッグス」。
*2:この記述「1969年から1971年の期間にトップ10のヒット曲が14曲もある」はWikiを訳したものだが、次の記事もある。クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァルの20曲:3年で18曲がチャート入りした脅威のバンド。
*3:"Centerfield"は、Bruce SpringsteenやJerry Garciaと共演していたことも初めて知った。