ハモーサの古本屋

 ハモーサビーチの中心街には、結構いろいろな店がある。
 ハモーサには、古本屋まであった。本好きの私としては、当然、寄ってみることになる。
 この本屋で「日系アメリカ人に対する差別関連を扱った本はありませんか」と聞くと、店主が「日系アメリカ人にはひどいことをしたからね。ただ、その手の本はあったかな」と言って親切に探してくれた。
 「それでも、補償をしただけ、アメリカ合州国はえらいと思いますよ」と私が言うと、「それでも50年後だからね、長すぎたよ。それに土地を取り上げてしまった分は返還してないと思うよ」と店主は答えた。
 「俺は1940年代の生まれだけど、学校じゃ、日系アメリカ人に対する差別の話なんか、教えてもらわなかったな。ずっとあとだよ、日系アメリカ人に対するひどい仕打ちを知ったのは」と続けた。
 「日系アメリカ人の資料で、博物館か何か、ありますか」と私が質問すると、「ダウンタウンに日系アメリカ人関連の博物館があるけど、行ったの」と言うので、「残念ながら行っていない」と私が答えると、「博物館なら、資料本も売っているかもしれないから、行ってみたらいいよ」と親切に教えてくれた。
 音楽関係の本も面白そうなものがあって、あれこれ買いたくなるけど、本は荷物になっていけない。

The Story of the Blues (1975)

 ”The Story of the Blues”(Paul Oliver)というブルーズの本を一冊買うことに決めたら、「ああ、一冊あった」と”The Issei Portrait of a Pioneer An Oral History” (edited by Eileen Sunada Sarasohn)という本を持ってきてくれた。
 日系アメリカ人の経験談のインタビューものだから、これは面白そうだ。さらに「もう一冊あった」と、持ってきてくれたのが、”DEMOCRACY ON TRIAL”(Page Smith)というもの。
 結局二冊とも買うことにした。日本関係の本は、9.5ドルなのに、ブルーズ関係のこの本は、30ドルもした。ブルーズ関係の本が一般に高いということではなくて、この本だから高いということなんだろう。
 本屋のレジの壁には、”I have my books And my poetry to protect me”という Paul Simonの歌詞の一節が掲示されていた。
 「これ、ポール=サイモンだと思うんだけど、歌の題名は何でしたっけ」と店主に聞くと、「サイモンとガーファンクルだけど、なんだったけな」と言った。常連の客に聞いていたが、要領をえなかった。
 店を出てから思い出した。”I am a Rock”だ*1
 英語教員になりたての頃、高校時代から聞いてきた音楽から、選曲して、Songbookを作ったことがあった。その中の一曲だったのに、記憶力の悪い私は、何事も忘れやすい。

*1:この歌の歌詞については、例えば以下のサイトを参照のこと。http://www.lyricsfreak.com/s/simon-and-garfunkel/124809.html