母語を話す権利、言語権は重大な課題ではないのか

 私の大学選びはいよいよ佳境に入っているが、もし間に合うならワイカト大学(The University of Waikato)にしようと思い始めている。
 理由はいくつかあって、ひとつはワイカト大学(The University of Waikato)にもTESOLがあること。先住民族マオリのことをやるならワイカト大学がふさわしいこと。ハミルトンの周囲には、いわゆる土地戦争関係、マオリ関係の歴史的な地域も多いこと。フィールドワークとして、あちこち訪問できること、である。
 母語を話す権利(言語権)が歴史的にいかに奪われ、現在いかに復活させようとしているのか、これは英語文化圏が支配的である今日までの世界史の展開の中で、世界中のどの地でも問われ、避けて通ることのできない重大な問題に他ならない。マオリ語と英語というマオリバイリンガリズム言語政策は、下手をすると自ら精神的に従属・植民地化していこうとしている日本人にとっても学ぶべき教訓が大きいように思う。こうしたテーマは通常の大学で学ぶことはできないが、ワイカト大学なら、私の要望に柔軟に対応してもらえるのではないかと期待できそうである。マオリの友人を持ちたいし、可能なら住み込んでみたい。
 さらにいえば、アジアからの留学生が多そうだということ。英語圏の連帯から比べるならば、アジア圏の連帯はお寒い限りである。できれば、韓国や中国、アジアの友人をもちたいと思ってきた私としては、この点でも期待できそうだ。ワイカト大学では、PC(政治的バランス感覚)も強いという。一言でこれをいえば、まともな感覚である。さらに、ハミルトンという町が人口10数万のミドルタウンで、自然が豊かであり、住むにはよさそうであること。いわゆる観光地ではないが、ニュージーランドらしく、どうってことのない普通の地域に自然がたくさんあることが素晴らしい。ロトルア(Rotorua)やタウポ湖(Lake Taupo)にも近いし、アウトドアをやるにもふさわしい。自転車乗りにとってもうってつけの街だ。車の運転でも、道が田舎らしく、わかりやすい。人も親切である。さらには、物価が安い、等々とたくさんある。強いて問題点をあげるならば、冬、少し寒いことくらいか。まぁ、完全なところはないわけで、いくつかの事は我慢しないといけない。
 ということで、ワイカト大学の関係者に電子メールを書くことにしよう。