Aotearoa/NZ

マオリの芸術科の教師からいろいろと基本を教えてもらう

教員室に戻ると、芸術科の女性教師が空き時間のようで、いろいろと質問をしてみた。 まず、「ハカをおこなう際に何故手を震わせるのか」と、聞いてみた。 手を震わせる動きをマオリ語でウィリウィリ(wiriwiri)というらしいが、このウィリウィリは、人間のエ…

トータルエマージョンは、普通の学校どころか、子どもたちが眼を輝かせて勉強しているまさに学校らしい学校だった

それにしても、ここのマオリの生徒たちは素晴らしい顔つきをしている。 きわめて子どもらしい子どもの顔つきだ。 単に素朴とか、田舎いうのとは、全く違う。人なつっこく、人間的で、表情豊かな顔つきをしているのだ。 日本の都会の教育が、教育足りえず、荒…

マオリ語だけで教科目を教えるトータルエマージョンスクールは、ごく普通の学校だった

考えてみれば、トータルエマージョンは、日本語で教える日本の学校のようなもので、トータルエマージョンは、極めて普通の学校だった。 それは、まさにこの校長先生の人格に現れているように思う。 自らの個人史を語る際にも、悲惨さが全く感じられない。 こ…

三世代におけるマオリ語の位置

簡単にいえば、こういうことだ。 祖父母の世代は、マオリ語が中心。父母の世代は英語が中心。現在の世代の子どもたちは、マオリ語を奪い返している渦中にあるのである。 こうして、マオリ語の歴史を学ぶことはコトバの教師としてやはり重要な教訓がある。 民…

生徒たちの親の世代は、自分のコトバが奪われた世代

つまり、この子どもたちは、学校の授業では、マオリ語だけによる授業で、遊ぶときもマオリ語だが、そこは子どもの世界。結構、英語も使う。それで、遊ぶときに英語を使ってはダメという強制はもちろんない。 それで、家庭では、主流は英語になる。 この子ど…

バイリンガル教育ではなくて、マオリ語で最後まで教育をすることが目標

ここの子どもたちは、コハンガレオで最低でも二年間育てられた子どもたちだ。コハンガレオは、「コトバの巣」(Language Nest)という意味で、マオリ語による幼稚園教育というとイメージしやすいかもしれない。前は、コハンガレオの期間が短い生徒も受け入れ、…

下級生たちの眼もきらきら輝いている

上級生組みは、次は水泳の時間というので、私は下級生組みを見学することにした。 下級生たちも、もちろん生徒はみな裸足である。 私はここでも、「ご機嫌いかがですか、みなさん」「私の名前は、amamuです」「今はキリキリロアに住んでいます」と自己紹介を…

職員室でくつろぐ

結構長い授業が終わって、教員室に戻ると、コーヒー、紅茶、甘いもの、パイのようなもの、いろいろなものが並んでいる。 教員たちにまじって私もいただきながら、校長先生に、「今日はスウェーデンからもお客様が来ています」ということで紹介を受けた。 先…

学び、調べ、発表する力を重視する

その授業内容は、いわゆるマラエなど、マオリ文化について調べて、それを発表するというものだった。 トータルエマージョンは、マオリ語で教育するだけでなく、マオリの文化を中心にすえている。 校長先生が使っていたヘッドセットを順番に頭につけてもらい…

子どもたちの授業態度が非常にいいことに感銘を受ける

瞑想から一連の流れが終わり、いわゆる授業に入った際に、下級生組みと上級生組みに別れた。 校長が担当しているのは、上級生組みである。 生徒は、男の子12名、女の子12名であった。 教室が広大だというわけでもないのに、校長はヘッドセットのようなマイク…

トータルエマージョンスクールの朝の時間

まず、「瞑想」の時間があるというので、見学に行く。 ラジカセでマオリの音楽をかけて、女性の教師が話をする。生徒たちは、床に転がっていたり、座禅のようにして、みな眼をつぶっている。 登校した生徒たちが、心安らかにする時間なのだろう。 私立の宗教…

このトータルエマージョンの学校は家庭的な雰囲気

この学校は、Year 1から、Year13というから、5歳から16歳、17歳くらいまでの年齢で、現在168名の生徒がいるという。 13人の正規の先生と、給与が支払われている援助者3名で、16名の体制だ。 近くにはコハンガレオもあるから、日本でいえば幼稚園から高校まで…

ネイピアのトータルエマージョンの学校訪問

昨日はネイピアに来た二つ目の理由を果たすことができた。マオリ語のトータルエマージョンの学校訪問である。 ネイピアにあるそのトータルエマージョンスクールに車で出かけ、受付を通って職員室に行って挨拶をすると、JET(Japan Exchange Teaching) Program…

テ・マタティニが終わって

ホリデイパークに戻って、台所でデジタルカメラから写真をラップトップのパソコンに入れてスライドショーでいらない写真を選定していると、「マオリのイベントに行ったんですか」と、ドイツ人の女性から話しかけられた。 彼女のパートナーはキーウィで、彼女…

32年前に始まったマオリの文化運動

このテ・マタティニは、32年前に始まったらしいから、1970年代のことだ。 それで、毎年発展しているというから、文化運動を始めた指導者たちの正しい路線に感心せざるをえない。 司会者が創始者の歴史的録音を流しながら、テ・マタティニ、カラキア(お祈り…

大会四日目で完璧に近づいた私のパカハカの正しい見物の仕方

大会四日目で、ようやく慣れてきた私は、今回の準備は完璧に近づいてきた。 ランチ、果物、ビスケット、飲み物は言うに及ばず、敷布、簡易椅子、日焼け止めクリーム、傘、レインジャケットと教訓を学んだ結果だ。 もちろん、ステージ前のかぶりつき状態であ…

ホリデイパークでの朝の交流

どこのホリデイパークでも話題になるのが私のゴアライトのテントだ。 どんな小さな奴が寝ているのかということになるらしい。 今回のホリデイパークには、マオリがたくさんいる。パーマストンノースの近くのホリデイパークというと、ここだけらしいから、当…

評価が終わっても、マタティニはまだまだ続く

評価が終わり、明日が決勝戦だというのに、まだコンサートがあるという。 会場に行ってみると、マイケル=ジャクソンのメドレーをやっていた。いわゆるR&B調で、音量はばかでかく、また演奏レベルは高い。そして、繰り返すが、退廃的ムードは全くない。 コン…

テ・マタティニは、マオリの文化運動である

私はこのときに確信した。テ・マタティニは、マオリの文化運動なのだと。 老若男女が参加し、日本なら結果発表など、しらけて観客が帰るような場面でも、もちろん帰る観客はいるけれども、司会者に呼応する動きや、コミュニケーションのレベルや集中度がもの…

二日間の闘いの結果発表

マオリ語で拍手のことをパキパキという。擬態語の一種なのだろうが、拍手がパキパキとは、なんとも可愛らしく響くのだが、当然司会者からこのパキパキは何度も聞かれることになる。 昨日も、最後の評価会までいたのだが、以下の6グループが決勝に進出するこ…

テ・マタティニは、国際的なイベントでもある

テ・マタティニは、パカハカが主のイベントだが、他に、国際的なお客様として、いろいろな団体が参加している。 私が見たものでは、ハワイと、トンガのもので、ポリネシア文化の連帯の強さを印象づけられた。 他に、ハワイ音楽や、ブルーズなどの演奏会場も…

テ・マタティニ会場の全体の雰囲気

お腹がすいても、テ・マタティニは、全く問題がない。 模擬店のノリだが、キナや、生の魚をクリームで和えたものも食べられるシーフード屋さん。ソースは、ガーリックバターなど、いくつか選べる、4ドルで半ダース、6ドルで1ダースのマッスルを蒸してくれる…

パカハカの正しい見物の仕方

パカハカ初日は、スタジアムの屋根の下で私は見ていた。 午前中は、日差しが私の左頬から、そして日中は背筋、そして夕暮れ時には、右の頬にあたるまで、もちろん休憩はときどき取ったけれど、同じ場所に座っていた。この時もうっかりして帽子と日焼け止めク…

子どもたちが民族文化の継承者

素晴らしい演技が終了すると、会場から応援団が立ち上がって、ハカで応えることがある。観客席はステージでもないのに、会場から、突然パフォーマンスが始まってしまうわけである。すると、演技を終了しおえたばかりのグループは、呼吸を整えながら、それを…

パカハカとは何か

昨日は、テ・マタティニのパカハカに初めて参加した。 テ・マタティニは、英語では、「マオリパフォーマンス芸術全国大会」(National Festival of Maori Performance Art)と呼ばれているもので、この大会で「伝統的パカハカ、ポイダンス、歌*1」(Traditional…

テナーコウトウ、テナーコウトウ、テナーコウトウ、カトワ

午後1時になり、オープニングセレモニーが始まった。 最初のパフォーマンスは大変勇壮なもので、ほら貝の音から、マオリの兵士が飛び跳ねるように、フィールドに繰り出し、あちこちと様子を偵察しているような踊りが展開された。その後には、歌と身体を揺ら…

「カイテポイ、コウトウ?」「アイ」

テ・マタティニとは、言ってみれば、マオリの文化祭典的な催し物である。 昨日は、そのオープニングセレモニーだった。 私は三日間の券を郵便局で買ったのだが、初日のオープニングセレモニーも入場できると書いてあるので、早速出かけてみた。テ・マタティ…

パーマストンノースで、マオリの一大文化祭典、テ・マタティニが開かれる

パーマストンノースは、マッセー大学がある町である。マッセー大学は、農業関係や獣医学関係が強いようで、合州国の大学の学費が高いことから、獣医になりたいものはマッセー大学に来るものが結構いるという。ニュージーランドではオークランド大学に次いで2…

タラナキのマオリは反逆児

タラナキのマオリの部族は8つほどあるのだが、1840年のワイタンギ条約に署名しなかったことで有名だ。 これには、ワイタンギ周辺のマオリの部族やワイカトの部族との抗争も理由としてあったらしいが、タラナキの部族の独立心が強かったこともあるという。 1…

マオリ語の教師に歴史を学ぶ

ワイカト大学(The University of Waikato)のマオリ学部の教授が、タラナキに行ったら、ここに連絡を取るといいと電子メールで電話番号と夫婦の名前を紹介されていたのだが、世界は狭いもので、そのマオリの夫婦は、ジェフとマーガレットの長年の友人夫婦だ…