Education

「いま『開国』の時、ニッポンの教育」を読んだ

尾木直樹・リヒテルズ直子さんの「いま「開国」の時、ニッポンの教育」を読んだ。 本書が発行されたのは2009年。 3・11の前である。 子どもたちが幸せと感じていない日本。 オランダは、幸福感世界一だそうだ。 本のオビに、「オランダから日本の教育をみる…

「入試の学部・学科「大括り化」

朝日新聞社と河合塾が共同で国内の大学を対象とした「ひらく 日本の大学」調査を実施したと8月4日の朝日新聞が報じている。 報告は多岐にわたっているが、2008年4月の入学生が4年間で退学した学生の「退学率」は、「7.7%」であったという。 また、入試では…

映画「告白」を観た

大変忙しく映画など観ている暇もないのだが、出版社に勤める編集者の知人が映画「告白」は観た方がいいというので大いに気になって今日見てきた。 ミステリーとか、殺人や暴力、憎しみや相互不信を材料とする映画は私の好みではないのだが、結論から言うと、…

「益川さん「勉強より studyを」 母校で語る」

朝日新聞デジタル版(2009年2月8日18時17分)より。 「知ることの楽しみ方を覚えて」。ノーベル物理学賞を受賞した京都産業大教授の益川敏英さん(69)と、高エネルギー加速器研究機構特別栄誉教授の小林誠さん(64)が6日、それぞれの母校である名古屋…

自分のことはなかなかわからないものです

最近、ちょいと忙しくて、この「誰も読まないブログ」を更新している暇もない。 まぁ、「誰も読まないブログ」なんで、更新などしなくても構わないのであるけれど、知人から最近更新してないねというメールもいただいたので、暇を見つけて更新していこうと思…

学力調査の平均点の公表によって、教育がゆがむことにならないか

全国学力調査の結果をめぐり、大阪府の橋下知事が公表を求める問題で、吹田市長が反論をしている。 吹田市長について、私は詳しく知らないが、経歴を調べてみると、自民・民主・公明・社民の四党の推薦を受けて吹田市長に三期当選した人物のようだ。 橋下知…

教育への公的支出、日本最下位

日本の教育の現場で30年近く働いてきていて、なんとかならないものかと思うことが少なくない。 そのひとつが、教育の条件整備である。 教育をめぐってはさまざまな問題があり、教師に対する注文も多いけれど、教育の条件整備で解決する問題も少なくない。 教…

学力テストは何のために実施するのか

学力テストは何のために実施するのか。 学力実態をはかるのであれば、抽出調査でよいとされる。 果たして毎年10億円もの経費をかけて、やる必要があるのだろうか。 昨日の信濃毎日新聞の社説から。 学力テスト 実りの少なさが鮮明に 全国の小学6年生と中学…

教育用映像の無料配信

アメリカ合州国の大学では、大学の全プログラムを無料配信しているような時代である。 教室授業でちょっとした映像教材や画像教材を使えるようになると使い勝手がいい。 教育用映像の無料配信について朝日新聞で以下の記事が報道されていた。 高速インターネ…

斎藤貴男氏の「教育改革と新自由主義」を再読した

前に読んだ本だが、斎藤貴男氏の「教育改革と新自由主義 (寺子屋新書)」を再読した。 この本に限らないが、教育というものは、数字にあらわしにくいものであると思う。 たとえば、テストの点数があるけれど、ある尺度でつくられた限界のあるテストであっても…

教育現場は悲鳴をあげている

せっかく教師になったのに、1年以内にやめてしまう若手教師が、5年前の2倍以上となっているようだ。 その3分の1が心の病だという。 業務が多すぎて、若手を支える余裕がないのが一因と思う。 2006年の教師の病気休職者は過去最高となった。 先進国といわれ…

呆れてモノが言えない

大人がこれでは、子どもに何も言えない。 最近は、忙しくて、ブログを更新している暇もないくらいだ。それほど真面目に仕事に追われているということなのだが、しかし、今回の大分県の教員採用試験にまつわる汚職事件はひどすぎる。 これまで、このブログで…

全国学力テスト、愛知県犬山市が不参加

以下は、毎日新聞から。 全国学力テスト:3万2500校、一斉に 私立の参加率低下 小学6年と中学3年を対象とした全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)が22日午前、国公私立の約3万2500校で一斉に始まった。43年ぶりに実施された昨年に続き…

公立入試で推薦選抜、各地で廃止

公立高の入試で、推薦選抜が各地で廃止されているようだ。 以下は朝日新聞から。 公立高、推薦入試の廃止相次ぐ 学力不足を不安視 2008年04月13日03時01分 公立高校入試で、推薦による選抜を廃止して筆記試験に一本化する動きが各地で相次いでいる。推薦は学…

わいせつ容疑で東京福祉大総長が逮捕

東京福祉大学の総長がわいせつ容疑で逮捕された。 容疑者であるから、確実なことは言えないが、この報道が正しいとすれば、ひどい話だ。 大学の総長ともあろうものが、セクシャルハラスメント、パワーハラスメントの犯罪を犯しているとすれば、大学の権威も…

公立高の入試でリスニング

「公立高の入試でリスニング」*1といっても、これは英語の話ではない。 公立高の入試で、今春8県に拡大したと新聞が伝えている。 以下は朝日新聞から。 入試に国語リスニング 公立高、今春8県に拡大 2008年01月27日03時08分 音声で流れる説明文や会話文を聞…

私たちはどこで間違えたのだろうか

以下の二つの選択肢があるとして、みなさんは、いずれを選びますか。 朝から午後にかけて学校で学ぶ。そのあとは帰宅か、地域のクラブ活動。夜は家族と一緒に食事をとる。 朝から午後にかけて学校で学ぶ。そのあとは、別の機関で、また勉強。夜は、家族と一…

学力テストの結果が発表された

全国一斉におこなわれた学力テストの結果が発表された。 今回の学力テストはさまざまな問題が指摘されている。 これまでもこのブログで指摘してきたことだが、とくに心配されるのは、教育の現場をゆがめるのではないかという点だ。それは、現場の教師が作成…

Livedoor Newsが「法政大総長選 ドロドロに紛糾」と報じている

昨日、横浜市大の約6割もの学生の進級不可の話を紹介した。法政大の総長選をめぐる問題についても、すでに朝日新聞が報じていたが、Livedor Newsも伝えているので、以下、紹介しておく。 Livedoor News 法政大総長選 ドロドロに紛糾 2007年10月06日10時00分 …

Toefl500点に届かず、横浜市大で58%が進級できず

以前より、このブログでも、日本の大学において全国的に「改革」なるものが志向されているが、それで本当に大丈夫なのかと憂慮してきた。 それは、きちんとしたデータを提出しないところで、学校運営やカリキュラムを非難し、世間受けをねらうだけで、「改革…

asahi.comの法政大の総長選挙をめぐる記事

asahi.comに以下の記事が昨日掲載された*1。 法政大の総長選挙をめぐって、新制度に対して過半数の学部長が反対しているにもかかわらず、理事会側は予定通り進めるということで、法政大が「内紛」状態ということだ。 山形大の学長問題や、岩手県の修紅短期大…

日本のトップの鈍感さに呆れる

沖縄の「集団自決」検定について、沖縄県民大会を受け、文部科学省が「対応検討」することになったと、朝日新聞が報じている。私からすれば、「ようやく重い腰を上げ」という文言を付け加えたいところだ。 9月29日に開かれた沖縄県民大会に11万人が参加した…

日本の医療や教育も大丈夫か

ということで映画「シッコ」を褒めたが、アメリカ合州国の保険業界、医療現場の医師の腐敗状況は眼を覆うばかりである。映画の中でカナダやイギリスの医師と比較していたが、もちろん、原因は個人にあるのではない。原因は、医療制度や政治状況にある。 最近…

浦山桐郎監督の「キューポラのある町」を観た

鋳物工場が林立する川口の町を舞台に、社会の逆境に負けず、たくましく生きていく少年少女を描いた名作「キューポラのある街 [DVD]」を久しぶりに見た。 早船ちよ原作、今村昌平・浦山桐郎脚本、浦山桐郎監督の1962年製作の映画だ。 役者陣では、父親役の東…

映画「フリーダムライターズ」を見た

原題のフリーダムライターズ(The Freedom Writers Diary)のフリーダムライターズ(Freedom Writers)は、もちろん、公民権運動時代のフリーダムライダーズ(Freedom Riders)のもじりである。 フリーダムライダーズは、アメリカ合州国史、とりわけ公民権運動史に…

理事会が率先して、大学合格実績を大量に「水増し」していた

私は、大阪学芸高校も大阪学芸中等教育学校も、いずれも全く知らない。 以下の記事によれば、理事会が「必要悪」と言ったようだが、結局は、インチキ広告の「確信犯」に他ならない。 反面教師的な役割を期待しない限り、こんな環境で、教育ができるはずもな…

山形大学の学長選出で何が進行しているのか、邪推してみた

実は、上の記事は、次に引用する記事がなければ、日記に書く予定はなかった。 私のコメントも、次の記事を読んでから、考えたことだ。 以下も、asahiからの引用。 元文部科学次官・結城氏、山形大学長に 他候補は反発も 2007年07月26日 山形大学は26日、学…

山形大学長選に文部科学省の前事務次官が立候補するという話をどのように理解したらよいのか

まずは、7月6日のasahiから引用しておく。 結城前文科事務次官、山形大学長選に立候補へ 2007年07月06日 文部科学省を6日に辞職した結城章夫・前事務次官(58)が退任会見で、10日に公示される山形大学の学長選に立候補することを明らかにした。結城氏…

国は、全体の学校の底上げをはかるために、全ての学校を例外なく支援せよ

「競争は学校の品質(品格)を高める」なんてことを、真顔で校長が言っているような時代だが、学校を高めるものは競争なんかではありえない。 教育の原理や正しい教育哲学にもとづいて学校づくりに努力するということが重要なのであって、その努力は、競争原…

結果だけに眼を奪われると本質を見失うことになる

教育活動で、陥りがちなことは、結果にだけ眼を奪われることだ。 たしかに結果を出すことは重要だが、それ以上に重要なことが、取り組みの経過や姿勢である。 取り組みの経過や姿勢がよければ、結果は出てくる。たとえ結果が出なくても、それは目標に近づい…