Education

誤答を児童に合図する、これで教育といえるのか

今朝の朝日新聞で、足立区の学力テストで、5校で事前練習をおこなったと報じられている。 足立区は、学校選択制を導入している。 児童に誤答を合図するということで、一体全体、何を教育しているのか。これは教育ではなく、反教育とも言うべきものだろう。…

学校ぐるみで成績向上の「不正行為」は笑うことのできない退廃だ

「それをやっちゃおしまいよ」という学校ぐるみの「不正行為」が教育現場で進行している。 教育に従事する者が、これほどの退廃をやってはいけないことは言うまでもない。けれど、こうした問題の根っこには、学校間競争をあおり、学力テストの結果を一人歩き…

木下恵介監督の名作「二十四の瞳」(1954年)を観た

子供の頃に、木下恵介監督の「二十四の瞳」を確実に観ていると思うのだが、部分部分の記憶しかなくて、はっきりと覚えていない。 それでも、ゆりの花のお弁当箱のエピソードだとか、貧しくて修学旅行に行けない話だとか、教師の描き方でいえば、反戦思想や綴…

前教育再生会議担当室長の義家氏、参議院選で自民党から出馬

asahiが次のように伝えている。 これが本当だとすれば、義家氏と安倍首相との蜜月関係はかなりのものだと言えるだろう。教育再生会議のお里が知れるというものだ。 最近はいつものことだが、選挙になると、人寄せパンダのような人選が進められている。これは…

教科書検定に反発する中で迎えた沖縄慰霊の日

沖縄地上戦から62年。沖縄は23日、「慰霊の日」を迎えた。 沖縄の「集団自決」をめぐって、日本軍による強制があったのか否か、歴史認識が対立する中で、教科書検定問題が起こった。今年の沖縄慰霊の日は、日本軍の強制という記述が教科書から削除されたこと…

教育三法案が参議院で可決

教育三法案、イラク特措法など、ひどい法案が強行採決で決められている。 こんなことでいいのだろうか。 教育3法案が参院委で可決 きょうにも成立(06/20 08:01) 参院文教科学委員会は十九日、安倍晋三首相が今国会の最重要法案と位置付ける教育改革関連三…

全国学力診断テストは、教育的な政策とはいえない

誤解がないように再度強調しておくが、学力評価に意味がないと言っているのではない。評価は、生徒の実態をとらえるために絶対に必要なものであるが、それは生徒と教師とが学力実態をつかむための資料であって、全国規模でやる必要はなく、現場で活用できれ…

全国学力調査のこうした混乱は予想されていたこと

私は私立の大学付属高校で四半世紀働いてきた。当然、その間、ずっと生徒の答案の採点もしてきた。それで、思うことは、学力評価は当然すべきものだが、学力評価というものは、絶対的なものではないということだ。 そもそも生徒の学力評価というものは、生徒…

全国学力調査で、採点上の混乱が生じている

全国学力テストの採点で混乱が生じているということを今朝の朝日新聞で読んだ。 以下は、asahi.comからの引用である。 学力調査の中3記述式、採点難問 ×が○に、作業も中断 2007年06月15日06時10分 小学6年と中学3年の約233万人が参加した全国学力調査…

学生・生徒の自殺が最悪に

9年連続で自殺者が3万人を越える国、日本。昨年886人と、学生・生徒の自殺が最多を記録したと夕刊が伝えている。

選挙でリーダーを選ぶのは民主主義の社会では常識ではないのか

教育再生会議第2次報告で、本当に教育は再生するのか、教育の魂の息の根が止まってしまうのではないかという主旨で、第2次報告の問題点をすでに指摘したけれど、「地域、世界に貢献する大学・大学院の再生―徹底した大学・大学院改革」という項目のところに、…

教育再生会議の提案で本当に教育は再生するのか

教育再生会議は、その成り立ちのさせ方やあり方、そして構成の仕方からして問題があると批判されてきた。例えば、東京大学助教授である本田由紀氏の「教育についての科学的な検証に従事している者をひとりも含まないメンバーから成る教育再生会議」というの…

「子どもたちを一番よく知っている教師の判断を信頼して欲しい」

5月29日付の朝日新聞の「私の視点」で、ロンドン在住の阿部菜穂子さんが、学力テストなど、「教育の国家管理を強める改革」が日本では進められているようだが、「日本がイギリスの教育改革を参考にするのなら、実情を正確に見た上でのことにして欲しい」とし…

もう一言だけつけ加えていえば、教師集団の大切さを訴えたい

そして、もう一言だけつけ加えていえば、教師集団の大切さである。 一人ひとりの教師の力が大切であることは言うまでもないけれど、それでも一人ひとりの教師の力だけでは、それでは弱いことも事実である。やはり教師は、教師集団として、教育にあたらないと…

教師の願いに応えるような、一人ひとりに対する研修制度の充実を切に願う

学校の仕事以外の、あるプロジェクトが終わった感慨から、多少触れるつもりが、結局長々書いてしまったけれど、私のような英語教師も含めて、全国の学校で働く教師たちは、もっと教科教育に専念できる体制と、研修体制が与えられてしかるべきということが言…

教員の残業は毎日2時間

文科省の40年ぶりの調査によれば、教員の残業が2時間との調査結果が出たようだ。 以下、インターネット上の毎日から。 教員:公立小中高で1日2時間残業 文科省が勤務実態調査 公立小中高校の教員は1日平均で2時間前後の残業を行っていることが、文部科学…

教育関連3法案が衆議院を通ってしまった

毎日教育活動に忙しくて、ブログを書いている暇もない。 教育関連三法案については現場で関心は高いものの、残念ながら話題にする暇もなく、あれよあれよという間に、教育関連三法案が衆議院を通過してしまった。 修辞疑問で題名を書いたけれど、今回の三法…

全国学力テスト、町ぐるみで対策

全国学力テストの直前に町ぐるみで対策をとった町教委について朝日新聞が報じている。 その町教委とは、広島県北広島町教委のことで、「出題内容が類似した問題集を作成し、時間配分や解き方を児童・生徒に指導するよう町立の小中学校に指示していたことがわ…

犬山市教育委員会編「全国学力テスト、参加しません。」を読んだ

学校の序列化がすすむのではないかと懸念されてきた全国学力テストが、とうとう、この24日におこなわれてしまったが、「全国学力テストは児童生徒と公教育にとって有害である」との結論に達し、これに不参加を決めた犬山市教育委員会の論点を学ぶために、犬…

民間業者による学力テストで日本の教育はよくなるのか

4月16日、文部科学省は、24日に実施する「全国学力テスト」に愛知県犬山市教委を除く1908市区町村教委が参加すると発表した。 この「全国学力診断テスト」については、さまざまな問題点が指摘されている。 正式名称である「全国学力・学習状況調査」は、文部…

再生会議の提言で、査定によって教員給与が増減される案が浮上している

言うまでもなく、教育においては教師と生徒との信頼感が大切である。さらに、教師集団における教師間の信頼感が重要であることも言うまでもない。 ところが、今日の新聞報道によれば、教員給与を査定で20%増減があってよいという案が再生会議で検討されてい…

いい教師が育つには時間がかかる

教師が育つには、長い時間がかかるということは知っていていいことだ。 教師は、全人格的成長をとげないといけない存在だ。若いときからすでに完成されている教師もいるかもしれないが、その数は少ない。ただし、いくら若いから、未熟だからといって、誠実で…

教師に対する日常的評価はすでにされている

昨日の話の続きだが、教員免許更新というのは、教員評価の問題だろう。 それで教師に対する評価だが、教師の仕事において、しんどくて、かつだから面白いと思うのは、生徒の評価が日常的になされることだ。 これは点数のような評価ではないけれど、教科担当…

教員免許制度は10年で免許更新というけれど

それで、教員免許制度であるが、仮に教員免許制度が導入されていたとすれば、私の場合、2回の免許更新の時期を経たことになる。 まず最初の10年間であるが、教師という、職業倫理の厳しい職種の、まさに修行時代といえる時期だったが、若さを武器に溌剌と仕…

教員免許更新制度問題をやる前にやることはないのか

教員免許更新制度導入の論議があるが、現場の教員である私は教員免許更新制度に反対である。 なぜ反対なのか。 初めに結論ありきのつもりはないのだが、まず、そんなことよりももっとやることがあるのではないかと思うからだ。 やるべきこととは、教師が仕事…

都立高校の現場で何が起こっているのか

「今春の東京都立高校の卒業式で、恩師たちが来賓として出席できない事態が相次いでいる」ようだ。「君が代」問題を背景に、「校長が来賓を選別したため」と朝日新聞が今朝の朝刊で伝えている。 その記事によると、『都立久留米高校では、04年春まで務めた前…

中高生に人気のプロフは無防備に使えば危険だ

今日の朝日新聞の夕刊の一面にプロフについての紹介記事があった。 このプロフとは、最近中高生に人気の「プロフィールを載せたサイト」の略称であり、簡単に自己紹介を作成することができて、友達の輪も紹介できる。「前略プロフィール」や「Myぷろふぃーる…

近年のうちの卒業式はなかなか素晴らしい

学校というところは、教師集団と生徒集団が集まっているところだから、構成員によって毎年違う。例えていえば生ものといえるかもしれない。昨年と今年とでは、それほど違わないかもしれないけれど、10年単位でみるならば、構成員は当然違ってくるからうんと…

教師が学べる環境の確保が重要ではないか

教師は、もちろん教えることが仕事だけれど、人に教えるためには、まず自らが学ばなければならない。一教えるためには十学ばないといけないとは、よく言われることだが、まず教師自身が教育されなければならないのだ。 教師は生徒からも学ぶし、同僚教員から…

「教員の質」を上げるためには、免許更新制よりも、学びあうこと

今日の朝日新聞に「教員の質」の問題がテーマとして、三人の教育関係者の発言が紹介されている。 上越教育大学助教授である佐久間亜紀氏の「実証的なデータはないのに、一方的な決めつけで議論を進めるのは、あまりに乱暴だ」という指摘は、最近の教育論議の…