Peace

「徴兵制 まさか…ね?」

「徴兵制をめぐる発言や議論が広がっている」という。 本日12日付の朝日新聞に「徴兵制 まさか…ね?」という記事が載っていた。 集団的自衛権の行使容認についての閣議決定と「徴兵制」に対する懸念がつながっていることは間違いないところであるが、安倍首…

長崎市の平和祈念式典での平和宣言

9日の長崎平和祈念式典で、田上富久市長は、その平和宣言で、集団的自衛権の行使容認について、「懸念が生まれている」と訴えたと、朝日新聞が報じている。 「宣言は、被爆者や大学教授ら14人が委員を務める起草委員会での議論をふまえて市が作った」という…

「渡辺一夫評論選 狂気について」

ヒューマニズムとは何か、考え始める材料として、渡辺一夫さんの「ヒューマニズム考―人間であること (1973年) (講談社現代新書)」を読んだら、これがとても面白かった。このことはすでに書いた。 フランス文学やルネッサンスについては、教養として読んでも…

戦時中の日本人作家の日記

今日の朝日新聞に、日本文学者のドナルド・キーンさんの談話が載っていた。 戦中に日本の作家がつづった日記を研究した「日本人の戦争」に触れて、以下の箇所が私の眼をひいた。 忘れられないのは、フランス文学者の渡辺一夫です。彼はこう書いていました。…

今朝の朝日新聞の天声人語でジャネット・ランキンが紹介されていた

今朝の朝日新聞の天声人語でジャネット・ランキンが紹介されていた。 ジャネット・ランキンの名を知る日本人は多くないかもしれない。1880年に米国で生まれ、女性初の連邦議員になった。女性の参政権運動を率いたから、日本なら市川房枝さんのような存在…

日本のトップの鈍感さに呆れる

沖縄の「集団自決」検定について、沖縄県民大会を受け、文部科学省が「対応検討」することになったと、朝日新聞が報じている。私からすれば、「ようやく重い腰を上げ」という文言を付け加えたいところだ。 9月29日に開かれた沖縄県民大会に11万人が参加した…

沖縄、11万人が怒りの訴え

2006年度の高校日本史教科書検定で、沖縄戦での住民の「集団自決」について、「日本軍に強いられた」等の表現に、修正意見がつけられ、「集団自決」における軍の関与に関する記述が削除されていたことが今年3月に明らかになっていた。 昨日、沖縄で沖縄県民…

新藤兼人監督の「原爆の子」を見た

平和資料館など、骨組みがつくられている場面が見られるなど、被爆後7年くらいしか経っていない広島の町が撮影されている。 乙羽信子、宇野重吉らが出演している。なかでも滝沢修が素晴らしい。 1952年の作品。

小林正樹監督の映画「人間の條件」を第四部まで観た

小林正樹監督による「人間の條件DVD-BOX」を見た。否、正確に言うと、見ている途中だ。全部で9時間半ともいわれ、あまりにも長いこの映画をはじめて第四部まで観た。 ということで、まだ最後まで観ていないのだが、映画「人間の條件DVD-BOX」は、日本映画史…

スティーヴン・オカザキ監督の映画「ヒロシマナガサキ」を観てきた

スティーヴン・オカザキ監督の映画「ヒロシマナガサキ」を観てきた*1。 この記録映画を全ての人間に推薦する。 62年前の今日8月6日、広島に、そして8月9日には長崎に、人類史上はじめて原子爆弾が投下され、何十万という尊い命が奪われた。事実、1945年の12…

山本薩夫監督の「戦争と人間」三部作を見た

1970年から1973年にかけて製作された五味川純平原作、山本薩夫監督による映画「人間の條件DVD-BOX」三部作を私は、おそらくリアルタイムで観ているが、今回あらためて一挙に三部作を見てみた。 初めて見たとき、とても印象深く思ったのだが、あの戦争がいか…

沖縄の歴史と瀬長亀次郎の生き方

8月1日放送のNHK番組「その時歴史が動いた」を観た。 今回の番組は、「忘れられた島の闘い 〜沖縄返還への軌跡〜」という題名で、「その時」とは、1972年5月15日の沖縄復帰の日のことを指すのだが、平和と人権を求めて闘った瀬長亀次郎の話であった。 1945年…

小田実さんが亡くなる

小田実氏が亡くなったと新聞が報じている。 私は小田さんの著作、とくに氏の書かれた小説は全く読んでいない。氏の「ベ平連」の活動も知らない。 ただ、リアルタイムではないけれど、小田実氏の「何でも見てやろう」は読んだことがあるし、また、氏の英語教…

新藤兼人監督主演の映画「陸に上がった軍艦」を観た

新藤兼人監督主演の「陸に上がった軍艦」を観て来た。 上映初日ということで、新藤兼人監督と山本監督、他の出演者たちが舞台挨拶をおこなっていた。新藤兼人監督の体験では、あの無謀な日本の侵略戦争でほとんどの者が戦死してしまったという。出征した者た…

加藤周一氏にとっての宮本顕治氏の訃報

「戦後すぐの時期に、宮本顕治さんと雑誌で対談したときの印象はいまでも鮮明に思い出す」との始まりで、評論家の加藤周一氏が宮本顕治氏の訃報に接して、次のように述べている。 宮本百合子が「歌声よ、おこれ」を書いた解放感が社会にみなぎっていた。顕治…

リサ・モリモト監督の「特TOKKO攻」を観た

カミカゼ特攻隊の真実。これは、まさに日本版自爆テロだと思った。 この映画は、特攻隊員、整備士たちの人間的な真実の声を集めたものだ。 そもそもこれはアメリカ人向けのものなのだろうが、このシネカノン配給によるドキュメンタリー映画を、全ての日本人…

木下恵介監督の「この子を残して」が観たい

長崎出身の久間防衛相が、原爆投下はしょうがないという暴言によって辞任することになった。 最近の政治情勢をみるにつけ、日本人とはこんなにひどい民族だったのかと暗澹たる気持ちになって、これまであまり見ることのなかった古い映画を観てみたいというこ…

全ての無差別大量殺戮に反対しなければならない

広島・長崎の無差別大量殺戮(ジェノサイド)は問題だとヒロシマ・ナガサキを問題にするとき、日本の軍国主義が原爆投下の口実にされることがある。世界の人々を不幸に落とし入れた日本ファシズムを集結させるには、原爆投下もやむをえなかったのだ、仕方が…

久間防衛相の暴言

あまりに忙しくてブログを書いている暇もないのであるが、国会で教育三法をはじめ悪法が政府与党の強行採決によって大量生産させられている状況について書かねばなるまいと思っていたら、また現役閣僚による暴言である。 「非常識」「暴言」と非難=久間氏発…

木下恵介監督の「笛吹川」(1960年)を観た

これは、時代劇の合戦を扱った徹底した反戦映画である。 高峰秀子主演。 「笛吹川 [DVD]」には、大衆が時代劇に求めるような大活劇はない。 それどころか、ストイックに、戦のばかばかしさが描写されるばかりだ。 とりわけ、高峰秀子が演じる足の不自由な母…

木下恵介監督の名作「二十四の瞳」(1954年)を観た

子供の頃に、木下恵介監督の「二十四の瞳」を確実に観ていると思うのだが、部分部分の記憶しかなくて、はっきりと覚えていない。 それでも、ゆりの花のお弁当箱のエピソードだとか、貧しくて修学旅行に行けない話だとか、教師の描き方でいえば、反戦思想や綴…

野村芳太郎監督の「拝啓天皇陛下様」「続拝啓天皇陛下様」を観た

野村芳太郎監督の「拝啓天皇陛下様」(1963年)「続拝啓天皇陛下様」(1964年)を観た。渥美清主演のこの映画は、むかし観た覚えがあるが、細かな内容までは覚えていなかった。今回、この映画のシリーズを楽しく観た。 最近の日本の政治情勢をみていると、とり…

安齋育郎さんの「こんどの騙しは手ごわいぞ」を読んだ

K9MPの「なんで?なんで?」No6.の「こんどの騙しは手ごわいぞ」を読んだ。 この本は、安齋育郎氏の講演を書き下ろしたような内容になっていて、ブックレットのような薄い本だが、とても面白く、また、ためになる。あまりにも面白いので、私は二度も読んでし…

マルティン・ニーメラーのコトバ

昨日の情報保全隊のニュースを聞いて、思い出した有名なコトバがある。 正確なところはわからないが、とりあえずネット上で見つけた以下のコトバを引用しておく。 はじめにやつらは共産主義者に襲いかかったが、私は共産主義者ではなかったから声をあげなか…

思想・信条の自由、表現の自由、市民的自由が危ない

陸上自衛隊の情報保全隊*1が、イラク派遣に反対する市民運動等に関する情報を広範囲に収集・分析していることが明らかになった。 防衛省側も、情報収集活動については認めている。 共産党が自衛隊関係者から入手したとされている「内部文書」は、A4版で166ペ…

高木敏子さんの「ガラスのうさぎ」を読んだ

高木敏子さんの「ガラスのうさぎ」が関東大空襲のことを描いた本であることは知っていたけれど、残念ながらこれまで読む機会がなかった。わが家ではすでに読んでいる家族がいて、我が家の書庫にあったから、そいつを引っ張り出して読んでみた。 高木さんの実…

「平和と改憲」について、「本当にこれでいいのですか」

「ガラスのうさぎ」を書かれた児童文学作家の高木敏子さんが、今朝の朝日新聞に、「平和と改憲 本当にこれでいいのですか」という一文を寄せられている。 その一文の冒頭で、石原慎太郎氏の脚本・製作による太平洋戦争の特攻隊員を描いた映画「俺は、君のた…

井筒和幸監督の「パッチギ! Love&Peaceラブ&ピース」は、今表現すべき内容をもった国際的な映画だ

前作「パッチギ」の続編ともいえる今回の[asin:B000MV9FMG:title]の作品のテーマとしては、難病にあっても、さらには戦争のような極限状況においても、そして差別的状況に置かれても、とにかく生きろというメッセージが座っている。そして何といっても家族愛…

あれよあれよという間に、ひどい法案が通過している

毎日の仕事で忙しく、ブログを書いている暇もないのだが、国会では、あれよあれよという間に、ひどい法案が次から次へと通過している。その一つが、イラク派遣の2年延長問題だ。 アメリカ合州国やイギリスですら、世界の世論は、イラク戦争に対する反省を深…

国民投票法、成立

昨日、改憲手続き法案である国民投票法案が参議院本会議を通過した。 国民投票法といいながら、自民党・公明党の政府与党だけで強行採決してしまう結果となった。 今日の朝日新聞で、弁護士の熊野勝之氏が、『国民投票というからには、国民に等しく投票権が…